地蔵浜という釣り場がある。
車横づけができるし、割と潮通しが良い場所でハネが良く釣れるのだが、意外と空いている。
穴場と言っても良い釣り場だ。
しかしそこに集まる釣り客はかなり濃い。
その人たちを常連と呼ぶべきか、強者と呼ぶべきか、おっちゃんと呼ぶべきか、とにかく集まる釣り人が濃いのである。
先週に釣り友達のヨシPが釣行した時には魚ではなく「おっちゃん」の猛攻に会ったらしい。
次々とおっちゃんが現れては、
「兄ちゃんどうや~?」
と話かけてきて、帰り際には全員が
「ほな、頑張ってや~」
と言って去っていく。
おっちゃんらは釣りをするでもなくヨシPに話しかけてきて、ひとしきり話をしては去っていくのだ。
要するにヒマなのだ。
彼らの釣りの腕前は分からないが、話しぶりからすると相当この場所に通いこんでいるようである。
話の内容はこの時期のタナは何ヒロが良いだとか、ハリスの長さがどうだとか、ウキはやっぱり球ウキが良いだとか、好き勝手にしゃべっていく。
聞いてもいないのに親切に教えてくれるのだ。
そんなおっちゃんの猛攻を受けたヨシPだったが、結局その日はハネを釣ることができなかった。
それならリベンジするしかあるまい!と私も参戦することにしたのである。
地蔵浜という釣り場
場所は地図を見て欲しい。
ここは写真のように、いつも大きな船が停泊している。
地蔵浜の最も釣れるとされるポイントは車で一番奥まで進んだ橋の下あたりだ。
おっちゃんらが言うには、ここは毎日誰かが竿を出していて、ハネもここにエサが撒かれることを知っているので回遊ルートになっているとのことである。
狙うところは15メートルくらい沖。
タナは2.5ヒロがベスト。
ハリスは約80センチ。
ハリスの真ん中に小さなガン玉を1個だけ。
エビはエサ撒きボールで少量を小まめに撒く。
こんなところだ。
こうした地元の釣り師だけしか知らない情報は貴重である。
ぜひこの情報を生かしたいものだ。
また船の陰になっているところも良いらしく、先週ヨシPはおっちゃんにレクチャーを受けたそうだ。
「ちょっと貸してみ」
と言って、おっちゃんがヨシPの竿を取り、
「こうすんねん!」
と、ルアー釣りで言うバックハンドキャストのように船の陰を目がけて仕掛けを投げた。
するとウキが船に当たって、パキーン!と真っ二つに割れてしまった。
「ごめん兄ちゃん・・」
と申し訳なさそうにするおっちゃん。
ヨシPは、
「いや、安いウキなんで良いっすよ・・」
と言ったらしいが、おっちゃんは
「ちょっと待っといてや」
と言った後、自分の釣り座に戻り、ストリンガーに繋いであったハネ(8匹くらい!)の一番大きいサイズの魚を持って来て、
「これあげるわ~」
と言ってきたらしい。
笑える話だ。
とにかくヨシPはそのおっちゃんに聞いた地蔵浜特有の詳細な情報を元にリベンジする気満々なのだった。
地蔵浜の強風に苦戦?
ヨシPが言うには、休日は場所の取り合いになるから暗いうちに場所だけは確保するべし、とのことだった。
現地に5時すぎに集合ということで、私は5時前には片岡釣りエサ店に行き、おばあちゃんからエビを2,000円分買って(いつものように熱々のコーヒーをもらい)約束通り5時過ぎには釣り場に着いた。
が、誰もいない。
ヨシPはおろか、ライバルのおっちゃんらしき人もいない。
結局明るくなっても競って釣り場に来るような人はいなかった。
拍子抜けである。
そのうヨシPと一緒にYK田くんとY村くんもついてきた。
Y村くんはよく釣りに行くらしく、立派なタックルボックスを持って来ていた。
YKTくんはいつも半分は寝ている陽気な奴だ。
4人で仲良く並んで釣りを開始。
並び順は奥から、Y村、私、ヨシP、YK田である。
南風がやや強いが釣りができないほどではない。
さっそくエビをつけて、おっちゃんのアドバイス通り仕掛けを15メートル沖に投げ入れる。
すると2投目でウキが入って、セイゴサイズではあるが嬉しい1匹が釣れてくれた。
幸先が良い。
ヨシPらもテンションが上がる。
そこからY村くんと一緒に小まめに撒き餌を入れる。
おっちゃんのアドバイスでは撒き餌ボールでエサを撒くことを勧めていたが、私とY村くんはエサ撒きボールは使わず、上撒きオンリーで行くことにした。
エビ撒き釣りの醍醐味は、パラパラとエビを撒くことにあると私は思っているのだ。
また撒き餌ボールはどうしても手返しが悪くなるので、せっかちな私の性に合わないということもある。
ヨシPはおっちゃんのアドバイス通りエサ撒きボールを使うようだ。
しばらくの間、仕掛けを投入してはエビを撒く。
まだ日の出からそれほど時間がたっていないので、釣れる気がしてくる。
と、ズズズーっとウキが入った!
竿をあおると魚の重みが手に伝わる。
が・・5秒くらいファイトした後、フッ・・とテンションが抜けてしまった。
ハリス切れだ・・。
ほぼ同時にY村くんのウキにもアタリが出たが、魚は乗らず。
ここぞ!とばかり魚を足止めするイメージでエビを撒くが、アタリは遠のいてしまった。
バラシが影響したのだろうか。
悔やまれるハリス切れである。
その20分ほど後、再びY村くんのウキにアタリが出てファイトを始める。
私はタモを構えるが、サイズが小さくY村くんのリールゴリ撒きによって魚が抜き上げられた。
おめでとうY村くん。
初ハネ釣り、お見事だ。
8時が過ぎて太陽も出て風が強くなってきた。
沖に仕掛けを投げにくくなって、上撒きのエビがカーブを描くように飛んで行く。
ウキの周辺にエビを撒くことが難しくなってきたため、岸壁に沿って仕掛けを流すことにした。
岸壁沿いならきちんとウキの周辺にエビを撒くことができる。
それに岸壁の陰になっているラインを攻めることができ、岸壁の陰に付いている魚がいれば反応が出るかも知れない。
ちょうど仕掛けを竿下に落とし、岸壁に沿って左から右へと流すような形となる。
これが良かったのか、私のウキがチョン!その後スーっと海中に入っていった。
ここで渾身の合わせ!
釣り上げたのは40センチ台のハネサイズ。
満足である。
春のエビ撒き釣りIN地蔵浜の結果は?
その後は私の竿にもアタリがなくなった。
他の3人も同じようにアタリはなく、9時半ごろに納竿とした。
ヨシPはどうだったかと言うと、2アタリ、0ヒットのボウズを食らってしまった。
YK田くんはいつものように途中から寝始めたため0アタリ0ヒット。
結局釣れたのは私とY村くんのコンビだった。
数メートルの場所の違いが明暗を分けたのかも知れないし、撒き餌ワークに差が出たのかもしれないし、その両方だったのかも知れない。
こればっかりは魚に聞いてみなければ分からない。
地蔵浜のおっちゃんの言っていた通りにやったとしても釣れない日もあるだろう。
だから魚釣りは面白い。
ヨシP残念。
また今度があるよ。
次はバチシーバスを狙いに行こう。
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