今まで飲ませ釣りという釣り方を2回ほどトライしたが全く反応がなく、飲ませ釣りなんて本当に釣れるのか?と疑っていたのだが、今回は3度目の正直。
やっとのことで飲ませ釣りで青物を釣りあげることができた。
飲ませ釣りという釣り方
関西で言う飲ませ釣りとは、生きた小魚を餌にしてより大きな魚を釣ることを言う。
ベストな生き餌はアジなのだが、元気よく泳いでいれば何でも釣れる。
(飲ませ釣りの師匠K兄いの経験談)
実際にK兄いは昨年はハマチからブリまで数本の青物を釣りあげていて、今年の9月前半にもシオ、ハマチ、ブリを飲ませ釣りで釣っているのだ。
仕掛けは簡単で、大きいウキと太いハリとハリス。
エサはアジ、イワシ、スズメダイ、ウリボウなどである。
タナは2から3ヒロくらいで、約10メートルくらい仕掛けを飛ばせば十分である。
最大の難点は生きた小魚の確保だろう。
サビキで小魚を確保しなければいけないのだが、いつでも簡単にアジが釣れる訳ではない。
釣り具店で買うこともできるが、現地で釣れればそれに越したことはない。
エサはアジがベスト。
なぜなら他の魚に比べて強く、元気だからだ。
飲ませ釣りで青物を狙う場合、潮通しの良いところが良いが、そういう場所は仕掛けが流されるため、回収し、投げなおす必要がある。
エサである小魚にハリをつけたまま何度も投げなおすと、当たり前だが小魚も徐々に弱ってくるのだ。
イワシなどは1回投げて回収すると瀕死の状態である。
その点アジは元気だ。
さすがに5回6回と投げなおすと弱ってくるが、それでも他の魚に比べると元気である。
飲ませ釣りの生き餌はアジに勝るものは無いと思う。
飲ませ釣りに行く際は、その釣り場でアジが釣れているかどうかを調査してから行くことをお勧めする。
秋の神戸空港で飲ませ釣りはホントに釣れるのか?
神戸空港は車で行ける場所の中で最も沖に面しているために、色んな魚が釣れる。
アジ、イワシはもちろん、ガシラ、アコウ、ハネ、タチウオ、アオリイカ、サゴシ、ハマチ、ブリなど釣れる魚種が多い。
今回は飲ませ釣りでハマチを狙うことにした。
ルアーやメタルジグでもハマチなどの青物は釣れているようだが、あまりにもK兄いが飲ませ釣りを推してくるので、そこまで言うなら・・・
と思い、飲ませ釣りをやってみようと思ったのだ。
しかし私は昨年苦い思いをしている。
はたして飲ませ釣りで本当に釣れるのか?
一抹の不安を私の釣りの師匠に聞いてみたところ、
「飲ませ釣りは釣れますよ」
とアッサリ言われた。
そう・・なのか・・?
K兄いだけでなく、師匠までがそう言うなら信じるほかはあるまい。
そう思い直し、D君を誘って神戸空港に乗り込んだのだった。
神戸空港という釣り場
神戸空港の敷地内にベランダと呼ばれる場所があり、そこが釣り場となっている。
神戸空港ができたばかりの頃はバカでかいガシラがいとも簡単に釣れたらしいが、今は毎日誰かが釣り竿を出しているので、そんな魚は釣れない。
ただ神戸方面では最も沖に張り出している場所なので、魚影は濃いと言えるだろう。
沖にあるだけに潮通しが抜群に良く、いつも左右のどちらかに潮が流れていて、潮が止まっているという日を見たことがない。
足元の海底はコンクリートの骨組みのような、敷石のような感じで、魚が着きやすいように作ってあるようだ。
実際に根魚はよく釣れる。
常夜灯もある。
岸から10メートルほどは水深が浅く、そこから先は徐々に深くなっているらしい。
現地に海底のようすが掲示されているので、現場に行った際にはチェックしておくべきだろう。
駐車場は有料だが停められないことはないと思うが、釣り人が停めてはいけない駐車場があるので注意してほしい。
飛行場に近い駐車場が釣り場に近くてお勧めだ。
神戸空港は周りに風邪をさえぎる建築物などが無いために、風の影響を受けやすい。
陸上では微風だったのに神戸空港へ来てみると爆風で釣りにならないなんてことはよくある。
2年ほど前の風のある日に神戸空港にナイトエギングに行ったが、現地に着いてみると横風が強くて釣りができるかどうか微妙だった。
それでもせっかく来たのだからとエギを結んで暗闇の沖に向かって全力で投げてみた。
数秒後、カラン!という音が5メートルほど左で音がしたのだ。
よく見てみると私が投げた海に向かって投げたはずのエギだった。
あまりの横風にエギが海まで届く前に吹き返されたのである。
その日はその1投のみで逃げるように引き上げたのを覚えている。
神戸空港の最大の敵は風だ。
飲ませ釣りは気を抜いた頃に釣れる?
D君と現地に着いたのは0時ごろ。
やや横風はあったが釣りができないほどではない。
周りにはタチウオ狙いの釣り人がチラホラいるくらいで、金曜の深夜の割には人が少ないほうだと思った。
実はフィッシングマックス神戸ハーバー店に寄ったついでに兵庫突堤の様子を見に行ったのだが、びっしりと釣り人で埋まっていた。
湾の奥の方なら入れなくはなかったが、明け方のハマチ狙いをメインに考えていた私たちは兵庫突堤の込み具合を見て、逃げるように神戸空港に来たのだった。
神戸空港の深夜は人もまばらで良い雰囲気だ。
この場所でなければ釣れないということもないので適当に場所を決める。
夜の神戸空港でガシラ、アオリイカ、チヌも釣れた?
明け方まで時間があるために、D君はタチウオの電気ウキ釣りでスタート。
私はエギングでアオリイカを狙う。
結局ウキ釣りのタチウオはアタリもなかったが、ほったらかしにしていたしかけにガシラが食いついていた。
私は1パイだけアオリイカを釣ることができた。
そうこうしているうちに空が明るくなり始める。
まずはエサであるアジの確保だ。
D君が手際よくサビキ仕掛けをつくる。
実はこのアジ確保が最大の不安要素だったのだが、D君が順調にアジを釣り上げてくれたのでホッとした。
と!D君のサビキ仕掛けに強い引きがあった。
なんとサビキ仕掛けに30㎝ほどのチヌが釣れたのだった。
良いお土産ができた。
本命の青物を釣る前に、すでにガシラ、アジ、アオリイカ、チヌと魚種も豊富に釣ることができた。
これでハマチが釣れてくれれば大満足である。
あきらめかけた頃に、ウキが・・
さて肝心の飲ませ釣りの方だが、完全に明るくなってもアタリらしきものはない。
周りはジグでサゴシやタチウオがパラパラと釣れている。
D君はエソを釣った。
飲ませ釣りでハマチを2匹釣っている人もいる。
なぜ私たちには釣れないのか?
弱ったアジを付け替えては何度もウキを流す。
幸いアジの群れがボチボチやってきたために、エサに困ることはなかった。
だが肝心の青物はなかなか釣れない。
時計は9時を指している。
やっぱり飲ませ釣りはダメなのか・・・?
私もD君も口数が少なくなっていく、
そんな時だった!
投点は岸から約10メートルくらいで、それほど遠投していた訳ではない。
エサを元気なアジに付け替えて仕掛けを流していた時、ウキに変化があったのだ。
飲ませ釣り専用のデカいウキなのに、ウキがピコピコと踊っている。
元気なアジなのでこんなこともあるのかな?と思っていたが、どうも今までよりウキの動きが激しいような気がする。
はて・・・?
様子を見ていると、ウキが20㎝くらい沈んだ!
これはもしや!?
飲ませ釣りに早合わせは厳禁だとK兄いから言われていたために、息を止めてウキの動きを見守る私とD君。
ウキはそのまま海中へと引きずりこまれて行った。
出していたラインが張り、竿先が引っ張られたところで大きく合わせると、ずっしりと魚の重みを感じる。
ついに乗った!
グイグイと引く魚とのファイト。
やっぱり青物はよく引く。
魚体が見えるくらい寄せてきてサイズと魚種を確認する。
それほど大きくはないハマチだ。
慎重にやりとりした末、D君に取り込んでもらい無事ハマチを釣ることができた。
なんや、飲ませ釣りって釣れるんや!?
5分前とは180度考えが変わった私はかなりゲンキンである。
結局釣れたのはその1匹のみだったが、大満足の釣行となった。
実は最後の最後にD君にも同じようなウキの反応があったのだが、D君のウキは沈むことはなく、アジも元気なままだった。
あのウキの動きはなんなのだろうか?
私の推測だが、ウキのピコピコという動きはアジが暴れている動きだろうと思う。
ハマチに襲われたアジが逃げようと必死に暴れているのだ。
ウキが暴れている間は、まだ青物がアジに食いついている訳ではない。
従って、ここで合わせてもすっぽ抜けは必至である。
ここはアジに食いつくまで落ち着いて待つべきである。
ターゲットがアジを食って反転し、走り出してから(ウキが十分に沈んでから)合わせを入れて始めて針がかりするという具合なのだろう。
ちなみに飲ませ釣りはアタリがそれほど多くないので、ウキから目を離すことが多くなるが、そんな時こそアタリが出るものだ。
竿を持って行かれる可能性もあるので注意して欲しい。
私が持っていた神戸空港の欄干にピッタリ取りつけることのできる竿受けはこれだ。
伸縮性があるために、よほど太い欄干でなければ大丈夫だ。
マジックテープで止めることができるため、神戸空港や南芦屋浜の欄干に取りつけるにはピッタリだった。
飲ませ釣りの合わせはなかなかに奥が深いものだ。
ハマチは家に帰って刺身にして家族で美味しく頂いた。
次は2匹以上か、あわよくばブリクラスを釣りたいと思う。
コメント